インタビュー

草加市市議会議員 関一幸さん

「為すためには成らねばならぬ」

政治家の難しさ

野間口 市議会議員になられたきっかけは何でしょう?また、活動のベースから考えれば保守系の地盤のように思いますが、民主党公認なのはなぜですか?

関 最初は草加地区手焼煎餅協同組合の青年会の会長を引き受けて、そのご縁もあって谷塚小、谷塚中のPTA会長を受けました。

谷塚中のPTA会長当時、私が脳梗塞で倒れて救急車で病院に運ばれるという事態が起こりました。幸い一命は取り留めましたが、左半身に麻痺が残りました。倒れたのが平成17年の9月、翌月に谷塚中の体育祭があり、校長先生はじめ、PTAの役員が病室まで来て、「体育祭に会長が挨拶しなくてどうするんだ」と、叱咤激励してくれました。ちょうど、老朽化に伴い演台を新しくするという話も聞いていましたし、周囲の方は私の復帰に向けて本当にいろいろ配慮してくださっていました。私も、皆さんの応援に応えるためにも、演台に上がって挨拶するためのリハビリを懸命に続けました。

結局、リハビリが間に合わずに、演台に上がることは叶わなかったのですが、台の下で挨拶はしました。当日はよく晴れた日で、「この青空を見ろ、この青空のように頑張れ!以上!」という挨拶をしたんです。子どもたちは、最初はぽかんとしていましたが、聞いたことのない短い挨拶で結構うけて拍手喝采でした。

その挨拶は、別にうけを狙ったわけではなくて、苦肉の策だったのです。長い挨拶は、ろれつが回らなくて、できなかった。当時の写真を見ると左手は体の前で軽く「くの字」に曲がって、足を引きずっている。そういう様子が写っています。

翌年、平成18年5月に60周年の周年事業あり、式典の来賓に地元の代議士をご招待することとなり、その際に自分の病気を通して感じた行政の話をさせていただいたんです。その熱意を細川律夫代議士が汲みとっていただき、市議会議員になるべく背中を押してくださいました。そういったきっかけで細川代議士の元で自分が地域に貢献できればとの思いから立候補に至りました。

野間口 その時私も稲荷小のPTAから式典に出席していましたが、関さんの挨拶は絆の大切さ、縁の大切さを訴えていましたよね、私もいまだに覚えています。今でこそ、絆、絆といわれますが、当時から関さんはそういうことを強く訴えていましたね。

関 その話が気に入ってくれたのかわかりませんが、熱心に説得されました。しかし、そういうもりはないとかたくなにお断りしていました。5月に周年の式典があって、7月くらいまでそういう状態が続きました。しかし、説得されているうちに、闘病の時の家族の支え、周囲の支えも頭をよぎって、いろんな人のおかげで助かった命だから、恩返しをしなければと思い、引き受けることにいたしました。

本当に偶然の縁ですが、細川さんの政策秘書がうちの祖母の親戚だということも分かりました。

野間口 政党に関しては、周囲の方も戸惑った人は多いでしょうね。

関 いやあ、いろいろありましたねえ。それでも、たくさんの人の支援を受けて議席を得ることができました。

野間口 政治の世界は風向き次第では、立場が急に厳しくなる。大変な世界ですね。

関 「為すためには、成らねばならぬ」という言葉があります。仕事をしたいのなら、その仕事ができる立場にいないといけないということです。政治家は議席を失えば仕事をすることはできません。いくら、正論、信念があっても選挙に落ちれば、仕事ができない。それでは、選挙に受かるために、信念を曲げてもいいのか。その辺はいまでも悩ましいところだと思っています。

野間口 保守地盤の中にいても請われれば民主党から立候補する。逆風の中でも自分の信念を貫く。何事も筋を通す性格なんですね。

関 そんなに格好いいものではありません。常に悩み迷いながらの決断、行動です。

 

特色あるまちづくり、

リハビリの環境整備に取組みたい

野間口 これからの谷塚、草加をどういうまちにしていきたいですか?

関 草加は東京の隣で、新興の人たちが入ってきてベッドタウン化している側面がある、市内の地勢を考えれば大型のショッピングセンターや観光施設など箱物が立つ場所もない。

しかし、草加をよく見れば、谷塚もそうですし、稲荷もそうでしょう。隠れた名所やいい場所がたくさんある。そういう、地域の隠れた資産に光を当てることで、今以上に注目される可能性はあるでしょう。

草加にプロのバイクレーサーがレースで着用する革のつなぎをつくっている職人さんがいるのをご存じですか?

ラジコンカーで世界チャンピオンになったこともある人の実家が神明にある。市内にはロボットプロレスに取組んで、イベントに出ている人もいる。精密機械に使うネジなど、日本のレベルの高い工業技術を支える町工場もある。

こういうスペシャルな特技、技術、あるいは名物、名所などを生かした特色あるまちづくりをするというのも、ひとつの方向性だと思います。久喜にある鷲宮神社が漫画の設定に使われて、おたくの聖地になりましたよね。そういう、文化、特色で人を引きつける方法もあります。

あくまで夢の段階ですが、広い敷地が残っている柿木にラジコンレース用のサーキットをつくって、ラジコンマニアの聖地にする。人が集まれば買い物もしますし、有名にもなります。越谷市とも連携して、越谷レイクタウン駅周辺の人工池では、ラジコンの船や水上飛行機のための場所をつくる。柿木周辺をそういった特色ある地域にして草加を盛り上げる。ラジコンと草加にある町工場、産業とも絡められたらいいですね。

あとは、東京スカイツリーと日光の間にある地の利を生かした観光にも可能性があると思います。

それから、これは私の議員活動の柱の一つに据えたいと思っていることですが、草加市でリハビリができる環境を整えていきたいと思っています。これは、議員を2期やって見えてきた私の「使命」だと考えています。

平成24年4月、市立病院に心臓病や脳血管の疾患を専門的に治療する「心臓脳血管センター」ができました。脳梗塞を経験した立場から、この施設の立ち上げには私も相当尽力したつもりです。

命を助ける重要な拠点ができたのだから、今度は社会復帰へ向けたリハビリの重要拠点や施設を整えたい。これもリハビリの重要性、大変さを経験した立場からの提言です。命が助かったら、次は社会復帰、貴重な労働力や人材を取り戻せるか、これは社会にとっても非常に重要で価値のあることです。「リハビリのことなら関に聞け」そういわれるようになりたいと思って、勉強、活動しています。

野間口 多方面で構想や計画がおありで、期待しています。本日はどうもありがとうございました。

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