インタビュー

埼玉3区選出 衆議院議員黄川田仁志さん

日本人の美徳、歴史・文化を

発信できる人こそ、真の国際人

野間口 私のメディアの理念のひとつは「子どもたちの今と未来を考える」ということで、教育も大きなテーマなのですが、教育に関して、今の課題をどのように考えていらっしゃいますか?

黄川田 GHQの教育政策の中で、武道、日本史、地理この3つを教えることが禁じられました。占領下の7年間はこれらの教育は行われていません。

武道は第一次安倍内閣の時に必修になりましたが、高校では日本史はいまだに必修になっていません。自分の国のことを教えられていないから、歴史上のことで、外国から問いただされた時に説明ができない。「そうだったんですか、すいません」と謝るしかないんです。

地理が禁止されたのは、日本人に地政学的な概念を持たせたくなかったためです。地理的な環境は政治に強い影響を与えます。たとえば、日本は島国だから、大陸に足がかりを持とうと、ついてはどこから入るのがいいのか、といった具合に地理的条件で政策を決めたりします。これが地政学です。欧米では盛んに研究されている学問ですが、日本には地政学を教える大学はありません。これもGHQの教育政策の名残です。

野間口 日本史と地理をしっかり教えて、もっとアイデンティティ教育をしたほうがいいということですか?

黄川田 アイデンティティといえば、そうなんだけど、もう少し違う概念なんです。私が留学で気がついたことは、国際人であるためには、自国のことをよく知らなければいけないということです。

世界が日本人に求めるのは、日本人として自国の歴史や地理を知った上で、どういう発想で打ち出してくるかということです。無機質な地球人としての発想を求めているわけではありません。その国固有の文化と歴史があって、その上にたって、私はこう考えると、それを聞きたいのです。

「地球人として世界平和を望みます」といえば、聞こえはいいかもしれませんが、信用されないんです。それは、アイデンティティというより、自分の立ち位置、どういう歴史や文化の上に立っているか、それが重要です。

教育の上では、グローバル社会を生きていく上で、道具としての英語は身に付けなければいけない。しかし、英語はあくまで伝達手段、道具です。重要なのは、伝えるべき中身です。島国でエネルギーに乏しい日本人がいかに省エネをしているか、いかに自然に愛着を持っているか、いかに規則を守るか、いかに細かくゴミを分別するか、なぜ震災が起こっても大きな暴動が起こらなかったのか、こういう日本人の美徳を知り、語る。そういう日本人だから、こういう製品をつくる、こういうサービスを思いつく、だから、世界の皆さんの役に立つ。こういったメッセージを発信することが必要なのです。

野間口 日本の誇れることを外部に発信することは大切なことですね、そういうことを教育の中に落とし込んでいくべきだということですか?

黄川田 それは必要でしょうね。逆説的に考えれば、戦後GHQが日本史、地理、武道の教育を禁じたということは、それだけ日本人の独立にとってこれらの学問が大切だということですよ。

英語はもちろん大切です。科学の論文の9割が英語で書かれますから、英語ができないと科学の分野で9割の情報にアクセスできないということになります。

日本の今の国家テーマは

「多様化」への対応

野間口 明治維新なら「近代化」、戦後は「民主化」、「経済発展」など、日本には今まで国づくりの大テーマのようなものがあったと思うのですが、最近それがどうも見当たりません。このために君たちは勉強するんだとか、この目的のために大人たちは働くんだ、そういったテーマが希薄だと思うのですが、政治家として黄川田さんが国民にテーマを示すとしたら、どのようなテーマを示しますか?

黄川田 それは非常にいい質問ですね。そういわれると確かにその通りだと思います。「近代化」や「経済発展」などと比べれば少し弱いかもしれませんが、国として掲げなければいけないテーマのひとつは、「多様化」ではないかと思います。グローバルの視点から見てもアメリカ一極集中が終わって、先進国主要国会議もG8からG20へ拡大する時代です。世界の多極化、多様化の中でどう生きるか考えていかなければなりません。

また日本国内での生き方の多様化にどう対応するかです。終身雇用制とか年功序列といった旧来の雇用システムも変わって、非正規、フリーターなど働き方もそれぞれです。その中でどうやれば多様な働き方をするみなさんの最大幸福を実現できるか。

家族の形もそうです。おじいちゃん、おばあちゃんがいる大家族は少なくなって、核家族、一人親、一人暮らし世帯が増えている。多様な家族形態にどうすれば最大幸福が与えられるか、こういった問題に対応するのが政治の役割だと思います。

いろんな価値観を持って多様化する人生に、幅広く福祉や行政サービスの安全網をかけて安心して暮らせるようにする。そこをご理解、ご協力くださいと、皆さんには訴えたい。「多様化」が私の中では、大きなテーマ、キーワードだと思っています。

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