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知的障害者の自立に向けた「つばさの森」の挑戦

努力が実り、目標だった

月給2万円を超える

もうひとつ、つばさの森が力を入れているのが施設外就労です。これは、利用者と職員が事業所まで出向き作業をして賃金を得る方法です。効率よく働けるのに加え、将来的には就職の可能性も見えて来ます。

現在請け負っている施設外就労のひとつが、三郷のイケアでの作業。この仕事は、船橋のイケアで知的障害者の雇用があると聞いたつばさの森の職員が、店舗を訪ね、担当者に事情を話し交渉したところ、スエーデンの本社まで確認をとってもらい実現した仕事です。つばさの森の情報ネットワークと熱意で勝ち得た仕事と言えるでしょう。

利用者3人と職員1人が1つのユニットを組んで土、日、月の3日間働きます。仕事の内容は、様々な事情で返品や廃棄処分された組み立て家具のパーツの中から良品を選び、アウトレット販売用の商品を組み立てることです。

6時間働き1日1ユニットで1万5,000円の賃金を得ることができます。

施設外就労としてはこの他に、越谷の流通団地内の電灯点検の作業などを行っています。

つばさの森では、すべての労働で得られた収入を一元管理して、仕事の能力、労働時間(勤務日数)、生活態度などを総合評価し、5段階にランク分けして工賃が支払われます。

イベント販売の強化、自主生産品販売場所の拡大、施設外就労の開拓など、宮田さんが、目標達成のために講じた努力の甲斐もあり、施設の年間売上高は平成19年度が、1,063万6,697円だったのに対し、平成23年度は、2,151万434円と4年で2倍以上の売上アップを達成。利用者へ支払う工賃も主力クラスであるBランクの月給が21,220円、Cランクが16,976円とBランクでは、目標だった2万を超える金額を達成しました。

金額もさることながら、利用者たちは働いて社会と関わることの喜び、親、保護者たちにとっては安心と我が子の成長をより強く感じられる結果につながったのではないでしょうか。

ある利用者の母親は、つばさの森で働いて稼いだお金で子どもが飲み物を買ってくれた。そのことがうれしくて涙が出たと語っています。施設の生産性を上げることは、より多くのお金を生み出すということに加えて、社会との接点が増え、施設の存在や商品を知ってもらう、地域の障害者就労への認知や理解が進むという意味でも大きいのだと思います。

宮田さんは、「いずれ私はこの施設を去るが、将来のためにも、さらに委託販売の場所を開拓し、施設外労働を増やし、利用者の自立を後押しして、もっと生き甲斐を見い出してほしい」とさらに活動を広げる意欲を見せています。

利用者の日々の努力、地域の理解、そして、職員の休み返上の努力で生産性を上げているつばさの森ですが、もう一つの活動エンジンが父母会です。保護者の皆さんが結束して、施設を盛り上げています。これは、また別の機会に取材してご報告します。

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