特集

知的障害者の自立に向けた「つばさの森」の挑戦

自主生産品が2年連続グランプリ受賞

つばさの森の利用者は施設と利用契約を結び、働くことで工賃を得ています。つばさの森と聞いてまず思い浮かぶのは「マフィン」や「マドレーヌ」などのお菓子。これらは主に就労継続支援B型の利用者が担当しています。

草加名産の小松菜を練り込んだ「小松菜マフィン」は平成20年のふささらまつりで行われた草加市レシピコンテストでグランプリを受賞した作品をつばさの森が商品化したものです。

ごまを練り込んだ生地と小松菜を練り込んだ生地を合わせた「ご松菜マドレーヌ」はパレスホテル大宮主催のPremium Quality Cup 2010 in Saitamaで優勝(2011年)。翌年出品した、埼玉県産の米「彩のかがやき」の米粉を使ったマカロン風マドレーヌ「彩のマカローヌ」は同賞で再び優勝、見事連覇を成し遂げました。つばさの森では、これらのお菓子類を年間約9万個を生産しています。

就労継続支援B型事業では、この他、印刷、ブランケット(建築部品)の仕上げ、消しゴムの組み立て、お灸のサンプルづくりなどの軽作業を行っています。

また、施設建物の裏には、農園も運営しており、サツマイモをはじめとする多彩な農産物を栽培、出荷しています。

▽彩のマカローヌづくり

マカローヌ調理風景

 

▽ブランケット(建設部品)の仕上げ作業

ブランケット

 

▽お灸の試供品の組み立て作業

お灸

 
▽キャラクター消しゴムの組み立て作業
消しゴム
 
▽彩のマカローヌは、パレスホテル大宮主催のコンテストで優勝、つばさの森に連覇をもたらしました。

 

利用者の「生活の質」を上げるため

生産性向上を目指す

先述の通り、つばさの森の利用者は施設と利用契約を結び、施設内あるいは施設外での労働を通じて工賃が支払われます。

工賃は販売金額や作業の効率に応じて支払われています。つばさの森を利用する人たちの多くは、企業に一般就労するための準備をしている段階の人たちです。いわば自立を目指す修行中の身。一般に就労している人に比べればそれほど多くの収入があるわけではありません。そのような環境の中でも、少しでも待遇をよくし、将来へ備えるため、そして労働を通じて本人が充実感を感じ、家族の喜びが大きくなるよう、本人はもちろんのこと、職員も懸命な努力を続けています。

この施設で平成21年から所長を務める、宮田敏男さんに話を聞きました。

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△つばさの森所長 宮田敏男さん

 

「私が赴任した平成20年度の利用者の平均工賃が約7,000円。職員はじめ関係者がいろいろと努力をしていたのですが、もう少しなんとかしたいという思いがありました。私にそう思わせたひとつのきっかけは、利用者のお母さんの言葉でした。

あるお母さんが、『うちの子は指を動かしたほうがよいということでピアノを習わせている。月謝が5,000円くらいかかるが、今月の給料ではその月謝もまかないきれなかったんです』そうこぼされました。その子は特別支援学校では就職のために毎日トイレ掃除をやりなさいといわれ、一生懸命毎日やった。スイミングが発達にいいといわれれば、お母さんがすぐ習わせた。ピアノもやらせた。本人も頑張っていたが、お母さんがどれほど一生懸命その子のことを思い努力したか。そのお母さんの言葉で、これはもう少しなんとかしたいと思ったわけです。ちなみに、その子は27歳でマルエツの特例子会社マーノに就職しました」

これをきっかけに「工賃拡大」を決意した宮田さんは、目標を以下のように定めた。

「例えば、障害を持つ人が一人で生活しなければならなくなった時、ケアホームで生活するのに1月約6万円かかります。障害者年金が障害の程度に応じて6~9万円支給されます。仮に6万円年金をもらっている人がここで5,000円の工賃しかないと、残り5,000円では心豊かに暮らせない。2万円の工賃があれば、買物したり、何かを揃えたり暮らし向きがよくなる。自分の中では、最低2万円の工賃を目標にしました」

宮田さんが試算の前提条件で考えたように、利用者の中には、保護者に先立たれるなどして、つばさの森に隣接する障がい者ケアホーム「ひまわりの郷」で生活しながら通っている人もいます。

目標達成に向け、宮田さんがまず取り組んだのは、つばさの森の名物であるお菓子とジュースのイベント販売。平成23年度の資料を見ると、5月1日の物産観光展を皮切りに翌年3月25日の草加グルメフェスタまで、この年は、実に51のイベントに参加して、ご松菜マドレーヌをはじめとするつばさの森でつくった商品を販売しています。11月3日(木・祝日)にいたっては、ふささらまつり、宿場まつりなど5つのイベントに同時出店。職員は総出でこれらのイベントに参加、この日だけで37万円を売上ました。

イベントの多くは日曜、祝日に開催されるので、宮田さんはじめ職員の多くは休み返上でイベント販売をしています。イベント販売は、売上の他につばさの森の自主生産品を多くの人に知ってもらうという広報、宣伝活動も兼ねています。

イベントで、その味や商品の製造工程を知った人が、再度購入しやすいように、あるいは、商品をより多くの皆さんに知ってもらうために、つばさの森では、自主生産品の販売場所の拡大を図っています。

 

<つばさの森の自主生産品が買える場所>

JAあゆみ野草加経済センター

埼玉県草加市西町1213-3

TEL:048-927-1313

 

JAあゆみ野グリーンショップ
埼玉県草加市長栄町384-1
TEL:048-943-6669

 

JAあゆみ野農産物直売所
埼玉県川口市大字安行領家473-4
TEL:048-299-0831

 

 

たんぽぽ(中央公民館内)
埼玉県草加市住吉2-9-1

TEL:048-927-3081

 

お休み処 草加宿 神明庵
埼玉県草加市神明1-6-14
TEL:048-948-6882

 

であいの森売店
埼玉県草加市柿木町261-1
TEL:048-932-2054

 

はしぎや酒店
埼玉県草加市金明町375-17
TEL:048-931-5945

 

草加市立病院売店
埼玉県草加市草加2-21-1
TEL:048-943-6488

 

コーヒーショップ ナミキ
※ 「ごまつなマドレーヌ」のみの販売致しております。
埼玉県草加市谷塚1-6-22
TEL:048-922-2739

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