インタビュー

前衆議院議員 細川律夫氏

グローバルに通用する人材教育が必要

野間口 日本の教育制度に関して、何か課題があると思いますか?

細川 子どもたちに行き届いた教育を与えるためには、教員の数、質を向上させていかなければいけません。35人学級が小学校1年生と2年生まで実現しました。これを順次進めていくべきだと考えます。

野間口 ヨーロッパの国などは、早い段階から将来大学にいくのか技術を身に付けて就職するのかで進学コースが分かれます。ある意味、職業教育が早い段階から始まります。また、優秀な子を集めて国の将来を託すようなエリート教育というのも諸外国にはあります。日本の学校教育にももっと多様性が必要だという声もありますし、6,3,3、4の学制を改正するという改革案を出している政党もあります。日本の学校教育制度についてどう思われますか?

細川 それ(職業教育、エリート教育)は必要に応じてやったらいいと思います。しかし、6,3,3、4の学制を変えるなど大改革までは必要ないと思う。

ただ、国際化はどんどん進むので、それに対応できる教育体制は必要です。語学教育や外国人とのディベートだとか、これはほんの一例だが、こういうことをやっていかないと遅れます。

厚生労働の労働を担当した経験から、今の社会が求めている学生像というものがあります。つまり日本の進んだ先端技術に将来対応できるような学生ということです。それに対応した勉強をしなくてはいけない。

技術力競争、グローバルな競争の中で通用する人材を社会は要求している。そうなると学校もそれに合う教育をしないといけない。それはまだできてないと思います。

私も中学から英語を勉強したが、英語をしゃべれるようにはならなかった。これからはそれではダメです。

これからの子どもたちは、仕事でも生活でも国際化に直面するわけです。それに対応できる人間をつくることが教育に求められている。制度上も、それに合うような改革をしていくのが、必要な教育改革だと思います。

野間口 大学に関して、田中真紀子文科大臣の許認可に関する騒動が話題になりました。日本の大学は少し数が多すぎるのではないですか?

細川 田中文科大臣は、問題提起をしたと思う。私立大学が学生を募集して定員に満たないような状況で、理想とするような大学教育を実現できるでしょうか?定員を満たそうとして質はさらに下がるし、それでは大学の機能を果たさない、そこに国から私学助成金もいくわけですから。

野間口 的確、不的確に線を引くとしたら、どういう基準になるでしょうか?

細川 それは、なかなか難しいでしょうね。どこまでがどうとは、なかなかいえない。そこは、専門家の先生方に大議論してもらう必要があるのではないでしょうか?

野間口 今採用状況も厳しいですし、企業としても、それなりの教育水準がある大学の卒業生、あるいは真面目に大学生活を送った学生でないと採用しません。そこを考えても、とりあえず入れるという今の「全入時代」には問題がありますね。

細川 今、海外からの留学生を採用する企業も増えています。日本人を採用せずに、外国人をどんどん採用する。日本人が採用の段階でグローバルな競争に負けている。これは、ちょっと問題だと思います。

国内でも、そういう競争に勝てる学生を育てていかなければいけない。小中学校からの教育を含めて、グローバルな環境に対応できる人間を育てる、これを意識してやっていかないといけない。そうなると、先生の質、数を充実させる必要がある。私の中では、そういうことが教育に関する課題意識です。

野間口 日本の家庭教育、しつけに関して思うことはありますか?

細川 日本の伝統的な文化は子どもたちにしっかり伝承していかねばなりません。例えば、歩きながらものを食べるとか、電車の中で化粧するとか、そういうことはこれまで日本人の文化の中になかった。そういうことは教えていかないといけない。礼儀作法は日本の美徳として守っていかなければならない。その辺は保守的でいいと思います。

野間口 グローバルになると、色々な価値観が入ってきて、お互い影響を与え合うと思いますが、そこはどうバランスさせるべきでしょう?

細川 グローバル化というのは、お互いを理解するということだから、外国の人も日本の文化は尊重しなければいけません。

日本人が海外にいった時もその国、地域独特の文化を理解して、相互理解に基づいて共存していくのが文化ですから。それをなくして、すべて同化してもつまらない、すべてが、アメリカナイズされてもつまらない。

野間口 日本は海外文化を真似て発展してきました。今和服を着ている人もほとんどなく、みんな洋服です。日本人には、ある種の同化気質といったものがあるように思いますが、その辺はいかがでしょう?

細川 それはやむを得ないところもあります。社会や生活が発展するためには、外国のものを取り入れたほうがよい場合もある。進歩と同化は違います。変えてはいけないことはあるのです。

野間口 日本人の美徳とは何でしょうか?

細川 真面目さと清潔なところ。外国人がきて一番びっくりするのは、街がきれいなところといわれていますから。そういうところは、いいところ。教育でも教えていかないといけません。

野間口 お忙しい中、本日はありがとうございました。

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