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特集 シリーズFOCUS獨協大学生 ②国際教養学部言語文化学科3年 前野 安代さん

ミクロネシアが研究テーマ

旅を愛し、目下の夢はカフェオーナー

前野安代さんは、東京都在住の獨協大学3年生。学業の合間を縫って、アルバイト、友だちとの交流に忙しい日々を送っています。前野さんに、現在熱中していることやソーシャルメディアとの付き合い方、将来の夢など聞きました。

野間口 獨協大学に入学した経緯を教えてください。

前野 東京学国語大学が第1志望で、第2志望が獨協大学でした。一浪して、第2志望の獨協に入学しました。正直いうと、カリキュラムは外語大よりこちらのほうが気に入っていたので、獨協に決まっても特に失望するということもありませんでした。国際教養学部なので、語学以外にも色々学べるところがいいですね。たとえば、スポーツ心理学や社会学、ゼミも楽しいです。

野間口 今、勉強されているテーマはなんですか?

前野 ミクロネシア連邦を研究しています。

野間口 どういうきっかけでミクロネシアに興味を持ったのですか?

前野 昨年、学生の一人旅を応援するフリーペーパーを発行している学生団体スナフキンの代表を務めていました。その際フリーペーパーのためにミクロネシア大使館へ広告営業をしたら活動内容が面白いとうことで、共同でフリーペーパーを作成させていただくことになり、現地の取材をさせてくれました。実際行ってみると面白い国でした。

ミクロネシアは大小600以上の島々から形成されている連邦国家で、世界有数の肥満国でもあります。昨年、ミクロネシアの食文化をゼミの論文にしたのですが、農業は盛んでなく住民は3食ほとんどカップラーメンなどのインスタント食品を食べています。なぜ、そういう食文化になったのかを、論文では調べました。

ミクロネシアは日本の統治時代も長かったのですが、第二次世界大戦時にアメリカ統治領となり、1986年に事実上の独立を果たしました。しかし、今でも生活必需品はアメリカからの輸入に頼っていて、島にはアメリカの物資が溢れています。

アメリカ統治領になった頃、アメリカの食品は高価で、それを買うことはステータスシンボルでもありました。それで、農業をして芋を掘って食べるよりは、アメリカ産のインスタント食品を食べるほうが楽で格好いいという価値観ができてしまいました。その名残が今もあって、インスタント食品を食べることのほうが、豊かだと思われています。

家のまわりにわざと目に付くようにゴミを捨てて、インスタント食品を食べていることを周囲に見せているのです。だから、街はそこらじゅうゴミだらけでゴミ問題も深刻です。

そういう食生活ですから、糖尿病にかかる人が多く、50代半ばで亡くなる人が多いのです。

教育も十分ではなく、外国のメディアを見る機会もないので、何が健康によくないか自分たちでは分からない。おまけに太っているほうが美しいという価値観もあって、不健康な食習慣を続けています。こういう状況を改善するためには、教育、食育が大事だと思っています。

今年も論文を書かなければいけませんが、今年はミクロネシアの自殺問題を取り上げようと思っています。

私が研究するミクロネシア連邦チューク州は島全体がほぼ親戚といってもいいぐらい血縁関係が強く、上下関係も固定化しています。親と子の関係もとても強く、親からお小遣いをもらえないという理由で自殺してしまうという事例もあります。人間関係の難しさが大きなストレスになっているようです。国が小さいので、NGOなどの調査統計にもミクロネシア連邦の自殺率は出てきませんでしたが、世界トップクラスの自殺率です。

そういうミクロネシア連邦の自殺の要因から、ミクロネシア連邦チューク州の社会構成を見るという観点で論文を書こうと思っています。今回は現地には行きませんが、JICA(国際協力機構:日本政府の海外援助を実行する機関)の方に話を聞いたり、大使館で働いている日系人の方に取材したりしようと思っています

野間口 日系人の方は多いのですか?

前野 戦争中に移住した人の末裔がたくさんいて、2006年の調査では人口全体の約2割が日系人です。モリという名字の方がたくさんいます。年配の人は日本語をしゃべれる人もいますし、ベントウやベンジョなど日本語と同じ意味で、現地の言葉として使われている言葉もいくつかあります。

△チューク州の雑貨店。アメリカの商品が溢れている
 
△小学校の昼休み。カップラーメンを食べる子は多い。

 

△ゴミ捨て場と化したチューク州の路上。
 
△ホームステイをした時にタロイモ掘りに挑戦(手前が前野さん)
 
△観光局長の家族と記念写真。全体にふくよかな体型の人が目立つ(後列右から3番目が前野さん)
 
 
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